都市を離れて田園に向かう人々が年々増えている。農林水産省の調査によれば2007年の新規就農者は75000人を数え、10年前に比べて1.5倍に増加しているという。そして、その半数は60歳以上の人々で占められている。企業社会をリタイアした団塊世代の、いわゆる定年帰農の動きが本格化したのだろうか。
農業・農村を目指しているのは定年退職者だけではない。06年に農業法人等に新規雇用された人々の6割は39歳以下の若者たちである。若い世代もまた田畑で汗を流しながら技術と経験を積み、農村定住の道を真剣に模索しているのである。
都市的生活から田園生活へ。この変化の潮流にはどんな背景があるのだろうか。広がる格差社会、非正規雇用が給与所得者の1/3を占める厳しい労働環境。それも要因として小さくはないが、もっと積極的な人生の意志が働いているように思える。消費を中心にした都市的生活から、大地に根差した持続可能な暮らしへの転換。自然の巡りに寄り添って生きる暮らしへの期待、すなわちグリーンライフを人生充実の道として選択し始めたのではないか。
むろんグリーンライフは農村移住だけではない。利用申し込みが順番待ちになるほど人気の市民農園。農産物直売所を巡り、農家レストランで食事を楽しみ、農家民宿で農的生活にふれるグリーンツーリズムの動きもますます活発化している。自治体やJAの受け皿づくりや支援策も強化されつつある。
アーバンライフからグリーンライフへ。東北の農山村が新しいライフスタイルの実現の舞台として、さまざまな活動と出会いを生み出している。そしてたくさんの笑顔であふれている。
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