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山形県・山形新聞『地元農家と支え合い、こだわりの漬物づくり 庄内町のマルハチ』
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精魂込めて育てたナスに目を細める契約栽培農家とマルハチ原料課のメンバー=鶴岡市中京田
 「契約農家との信頼関係がなければ、うちの商品はできない。いい漬物は、いい素材、野菜が命ですから」。地元庄内を拠点に、開発型の漬物メーカーとして、数々のヒット商品を出しているマルハチ(本社・庄内町)の阿部武敏社長(56)は、地元農家と二人三脚で築き上げてきた実績を誇らしげに紹介する。
 マルハチは1914(大正3)年、みそ醸造と小売業の「黄金屋」として創業した。
60年代から漬物生産に移行。庄内特産の温海カブを使った「雪ん娘」や「りんご茄子(なす)」「まるっこ」「若もぎ小茄子」「山形のだし」など、浅漬けのヒット商品を産み続ける全国有数の漬物メーカーだ。
 「基本は山形、そして庄内という地域にこだわっている。ローカル性もアピールできる地元の物が一番」(阿部社長)と、素材となる温海カブや青菜、大根、小ナスなど多くの野菜は、県内約300軒の農家と生産契約を結び、仕入れている。
 どの食材も、阿部社長や社員がそのうまさにほれ込み、契約栽培にこぎつけたものだ。さらに「農家の人に勝るとも劣らない」(阿部社長)という野菜づくりの専門家、同社原料課の技術指導員たちが、契約栽培農家一軒一軒に足を運び、土づくりから肥料や農薬の管理、栽培スケジュールなどを提案。農家との連携の中で、安定的に質の高い素材づくりに取り組んでいる。
 農家にとっても契約栽培のメリットは大きい。マルハチでは、野菜の収穫期になると、契約農家の畑まで同社の収集車が出向き、取れたばかりの野菜を集めて回る。
 鶴岡市中京田でナスの契約栽培を続ける須田節子さん(63)は「市場に出荷する負担が少なくなる。生産者としてもフレッシュな野菜を、自信を持って渡せる。何より市場価格を気にせず、安心して野菜を作れることが大きい。(マルハチも)新鮮な素材がそろうし、お互いさまなんですよ」と笑う。
 信頼できる生産者から集めた素材は、阿部社長自慢の研究開発部で、数々のヒット商品に生まれ変わってきた。だが、そう簡単ではない。「社内では新商品案として年間百品目ほど開発されるが、店頭に並ぶのは15品目程度。その中で一品、ヒットするかどうかです」と阿部社長。
 1%あるかないかの成功に対し、社を挙げて開発を続けるマルハチ。それでも、阿部社長を筆頭に社員たちは、さまざまな持ち場で、契約農家と作り上げた自慢の素材を使い、新商品、新技術の開発に力を注ぐ。
 阿部社長は言う。「漬物メーカーの規模としては決して大きくはないが、うちには最高の素材を提供してくれる農家の人たちと、日本一を自負できる研究・開発力がある。これからも、安心で安全な食品を消費者に提供し、地域活性化にも貢献していくために挑戦を続けていきます」
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日々、商品開発に励むマルハチ研究開発部の社員。ここから、数々のヒット商品が生まれた=山形県庄内町廿六木(とどろき)
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