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山形県・山形新聞社『主婦たちの力が結集 農家レストラン「エルベ」』
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 飯豊町萩生の農家レストラン「エルベ」のランチ時。若い女性や町外から訪れた主婦グループなどがそれぞれのテーブルを囲んでいる。地物の食材を使った家庭的なイタリア料理に舌鼓を打つ人たち。会話も弾み、店内には笑い声が響く。
 エルベは、町内の農家の主婦10人で組織する「ミヤ・マンマ」が、国の補助を受けて建設した町の施設を活用し、2000年4月「農家レストラン」としてオープンした。
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旬の地物の野菜をふんだんに使った「飯豊流イタリアン」の逸品を提供する(右から)舟山てるよさん、梅津つね子さん、高橋美知子さん、五十嵐富美子さん
 ミヤ・マンマは、イタリア語で「わたしのお母さん」という意味だ。「農家の母ちゃん」を元気にするレストランを実現しようと、町が畑作、稲作、農産加工などの勉強会に参加した女性の中から、元気のいい主婦10人を一本釣りする形で、オープン1年前に、グループを結成した。
 自分たちが作った農作物を使い、それまで町になかったスタイルと料理の店として、イタリアンを選んだ。専業、兼業、それぞれ立場や環境の違う仲間たちが、素人集団からプロ集団への変身を目指し、開店準備に追われた。県内外の視察や料理の特訓を重ね、埼玉県のレストラン経営者を指導者として招き、料理や経営のノウハウを学んだ。パスタ、ピザ、サラダ…。調理特訓は深夜に及ぶこともあった。
 結成時、代表を務めていた五十嵐富美子さん(61)=同町小白川=は「まったくの素人集団だったけど、10人の気持ちは一つだった。その力はすごいと、われながら思いましたね」。梅津つね子さん(62)=同町中=は「農業との両立は大変だったけど、何より家族の理解と協力に支えられていました」と懐かしそうに振り返る。
 オープンから農家レストランは、驚くほどの評判となった。メンバーが作った新鮮な野菜をはじめ、町内の農産物をふんだんに使った「飯豊流イタリアン」は隣県からも客が訪れる店になった。調理場でフライパンを振るい、次々に注文をこなす舟山てるよさん(54)=同町小白川=は「農家だから野菜の本当の旬を知ってます。旬のものが一番。エルベは旬をイタリアンで提供してるんですよ」と胸を張る。
 3年前、町からの出資を受け、ミヤ・マンマのメンバーのうち残った4人で「エルベ」を有限会社にした。女性たちによる農業を通じた地域おこしから一歩踏み出し、地域企業として新たなスタートを切った。現在は、地元の女性6人を従業員として雇い、地域の雇用創出にも貢献している。
 「また、どうぞ」。店を出るお客さんに声を掛ける店長の高橋美知子さん(55)=同町萩生。「オープンから6年、会社組織にもなり、変わった部分もある。でも、味とお客さんをもてなす気持ちは変わりません」と、料理を楽しむ人たちに目を細めた。
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