
須賀川市の中心市街地にある市総合福祉センター1階。「いらっしゃいませー」「採れたてを持ってきましたよ」。毎月1回、「岩農フレッシュショップすかがわまちなか店」が開店する。店頭に並ぶのは鏡石町の岩瀬農高で生産した農産物や乳製品、加工品。4月のオープン以来、新鮮で安心・安全な店として地域に定着した。
同市の清陵情報高が店舗運営をバックアップする。毎回、フレッシュショップや農場を取材。同校の商店街紹介ホームページ「フレ!フレ!すかがわあきんどプロジェクト」に開設した岩農ショップ特設ページで、販売情報や接客の様子、生産風景などを画像と写真付きで紹介している。
農業系と情報系の高校が商店街活性化に連携した県内初めてのプロジェクトで、高校生のユニークな挑戦に地域も大きな期待を寄せている。須賀川商工会議所と須賀川中央商店街振興組合が、若者と力を合わせ商店街の空洞化に歯止めを掛けようと企画した。
須賀川市は宿場町、商人(あきんど)のまちとしての歴史を持つ。しかし、生鮮食品店は多くはなく、郊外の大型ショッピングセンターに買い物客を吸収されているのが現状。中心部の最高路線価も下げ止まらない。
商店主は「岩農ショップが開店すると、人の流れがよくなる。経営意識も刺激されている」と話す。高齢者や主婦らからの信頼は厚い。「毎月1回でもいいから出店して。家から歩いて来られるから便利なの」。4月から12月まで計7回の出店予定だったが、来年度も出店を継続する予定だ。
接客、陳列、会計は、岩瀬農高の主に3年生が輪番制で行っている。4回目のオープンとなった9月26日は鶏卵やジャガイモ、カボチャ、ナス、ピーマン、シシトウ、ナシ、パウンドケーキ、ヨーグルト、ボサ菊、セントポーリアなどを販売した。
「採れたての夏野菜がお薦めですよ」
「パウンドケーキはまだある?」
生徒が住民と直接向き合い、消費者ニーズを知る。一足早い社会体験は、生徒たちの生産意欲と販売意欲を相互にかきたてた。椎名和馬君(生物工学科3年)は「安全でおいしいものを提供することに喜びと責任を感じている。作るだけでなくマーケティングの大切さも学んだ」と話す。
清陵情報高の商店街紹介HP「フレ!フレ!すかがわあきんどプロジェクト」は、市内の7商店街約170店舗をHPの地図上に掲載している。店舗情報も発信し知名度アップに一役買っており、その縁で商店街活性化プロジェクトの一翼を担うことになった。

生徒は授業で学んだITの知識と技術を、岩農ショップのホームページ運営で実践している。取材活動や生徒との交流を通して、表現力やコミュニケーション能力を高めることにもつながった。
岩瀬農高に出向き、野菜や花の栽培、搾乳、生乳生産などの現場を目の当たりにしたことで食と農に対する意識が変わった。橋本沙也加さん(電子機械科2年)は「食の大切さ、安全性を考えるようになった。今後も新鮮な情報を発信し、ショップの販売も手伝ってみたい」と事業の広がりに意欲を見せる。 「岩農フレッシュショップすかがわまちなか店」は今月24日にも開催したほか、年内は11月21日と12月12日にも開く予定だ。営業時間は午前10時から正午まで。詳細は清陵情報高HP【http://www.seiryojoho-h.ed.jp/sukagawa-akindo/fresh/index.htm】へ。
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