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 秋田県・秋田魁新報社『米作りって楽しい・高校生と小学生が交流(秋田県横手市)』
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秋田魁新報社 「稲の束を手でしっかりと押さえてから稲わらを巻くのがコツ。できるかな」。秋田県横手市にある県立増田高校農業科学科で稲作を専攻する麻生功希君(3年)は、稲刈り体験に来た小学生に刈り取った稲の束ね方を、手本を示しながら教えていた。子供たちが自信なさそうに「難しい」と答えると、「大丈夫、この次はできる」と力強く励ました。
 増田高校(遠藤政司校長)では2004年から同市の増田小学校(大山史子校長)5年生児童に、農業体験学習の場を提供している。
 当初は田植えと稲刈り体験だけだったが、一昨年から種まき、稲の生育観察、増田高収穫祭への参加、収穫した米の試食を加え、年6回に拡大。児童らは種籾(もみ)からご飯まで、一連の流れを学んでいる。先生役は増田高の稲作専攻の生徒たちだ。
 在職中に農業体験学習を切り盛りした増田高校元教諭・七尾章三さん(61)は「先生役を務めるためには生徒自身の勉強が必要。稲作の本質を自ら学ぶきっかけになると思って導入した。コミュニケーション能力を身に付ける機会にもなってほしい」と話す。
 今年は稲作専攻3年の8人の生徒が先生役を務め、増田小5年の児童68人を指導している。生徒数に合わせ8班を編成。農業体験学習では、毎回同じ班で活動するため、生徒にはクラス担任のような役割が期待されている。
 10月8日に行われた稲刈りは今年4回目の活動。生徒と児童はすっかり打ち解けている様子だった。児童らが刈り取るのは、今年5月に田植えをしたあきたこまち。あぜには目印として、それぞれの名前を記した小さな木札が立てられている。児童たちは育った稲をかまを使って慎重に刈り取り、あぜまで運んでいた。
 児童らは稲刈りのほか、稲を束ねる作業にも挑戦した。コツを教わろうと先生役の生徒の周りに集まり、「早く教えて」と催促。生徒らは笑顔を見せながら何度も手本を示していた。
 麻生君の自宅は米を中心とする兼業農家。時折、農作業を手伝っている。卒業後は製造系の会社への就職を希望。土・日曜日には農作業を手伝うつもりだ。農作業のほとんどが機械化されているため、稲を束ねる作業は麻生君にとっても初めての経験だった。
 麻生君は「束ね方はすぐに習得できたので問題なかったものの、小学校でバケツを利用して栽培している稲の生育観察などでは専門的な内容もあるため、しっかり勉強していないと教えるのは難しい。子供たちが農作業の体験を面白いと感じてくれればうれしい」と話す。
 麻生君から稲の束ね方を習った籠谷佳乃さん(増田小5年)は「お米は家でも作っているけど、あまり手伝っていない。お米を作る大変さを楽しく学ぶことができた」と満足げ。また、佐藤美緒さん(同)も「面白く教えてもらえて、とてもためになった」と笑顔で話した。
 米づくりを通じて、生徒と児童たちのきずなも深まっている。小田原紳悟君(増田高3年)は「市内のショッピングセンターで農業体験学習で同じ班の子供たちに声を掛けられた。先生と生徒というよりは、友達感覚で接している」と話す。
 七尾さんは「小学生の体験が田植えと稲刈りだけのときは、圃場では落穂が目立った。種まきからご飯まで一連の流れを紹介するようになってからは、小学生が稲を大切に扱うようになり、落穂はほとんど見られなくなった。食べ物を大切にする心が芽生え、しっかりと根付いてきているのだろう」と、農業体験学習の効果に目を細める。
 11月上旬に開かれる増田高校の収穫祭には、児童たちが招待される。一方、生徒たちは中旬、増田小に出向いて給食を一緒に食べ、児童が収穫した米を味わう予定だ。

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