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山形県・山形新聞社『なかつがわ農家民宿組合(山形県飯豊町)』
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 今年5月、飯豊町中津川地区に8軒の農家民宿が一斉に開業し、「なかつがわ農家民宿組合」を結成した。8軒が連携しながら、町の観光協会や地域住民たちの協力を受け、豊かな自然の中ではぐくまれてきた農業、そして素朴な農家生活をメーンにした取り組みが動きだしている。
 組合員として農家民宿を営んでいる五十嵐あいさん(69)方に、首都圏から若い女性2人組の体験者が宿泊に来ていた。東京都国分寺市の会社員西村彩さん(29)と千葉県船橋市の公務員塩田祐子さん(28)。観光旅行ではなく、一風変わった体験旅行を求め、行き着いたのが農家民宿での宿泊体験だった。
 五十嵐さんの畑でのサツマ芋収穫。スコップで周りを掘り、最後は手で芋を傷つけないように少しずつ掘り出した。塩田さんは「結構大変だけど、自分で収穫し、料理して食べられるのが、最も安心できるし、最高のぜいたく」と大喜び。西村さんは「農家の人の暮らしぶりや物を作ることへの思いを感じることができた」と納得の様子。そんな2人の姿に、五十嵐さんは「お客さんへの気遣いはするけど、余計な気は使わない。ばあちゃんの家に泊まっていくみたいに考えてもらえば」とほほ笑む。
 開業から5ヶ月。民宿を切り盛りしている農家の主婦たち。常に、情報交換し、協力しながら農家体験をメーンにした民宿経営に努めているが、悩みは尽きない。
 町や観光協会関係者を交えた月1回の定例会議。「開業からここまで、無我夢中できたけど、今のところ、順調にお客さんを受け入れできていると思う」「中津川では当たり前のことが、都市部の人には新鮮に映っているようだ」と、この五カ月間を振り返る。
 一方、「あるがままの生活の中で受け入れることは、プライベートな面でも家族の協力や理解がなければ難しい」「まだ、自分たちも始めたばっかりなのに、研修視察の受け入れが多い。来てもらえるのはうれしいが、本来の体験者でないし…」など悩みも多い。
 組合長を務める伊藤信子さん(67)は、組合員のさまざまな意見に耳を傾けながら言った。「中津川も高齢化している。10年先、そして次の世代のことを考えると、今、何かしなければと思ったのが、農家民宿を始めるきっかけ」。そして「誕生したばかりだから、すべてが経験だ。中津川、そして農業に関心を持ってもらうには、農家の生活を知ってもらうのが一番であり、農家民宿はその最高の手段だ」と顔をほころばせた。
 産声を上げたばかりの農家民宿組合。地域や家族に支えられ動きだした農家民宿が注目されれば、地域活性化、そして地域農業の振興への道が見えてきそうだ。
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五十嵐あいさん(右)の指導で、民宿わきの畑での
サツマ芋掘りを楽しむ宿泊者たち
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組合発足から5カ月。いろんな角度から意見を交わし、
手探りで農家民宿経営のアイデアを出しあうメンバーたち
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