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宮城県・河北新報社『せんだいプチファーム(仙台市)』
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親子連れにキャベツやハクサイの苗の植え方を
教える農場長の三浦さん(右)
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自分たちで耕した畑の中で、
今後のスケジュールを話し合う参加者たち
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 農家と都市住民の協力で、遊休耕作地が畑としてよみがえった。
 9月末の日曜朝。仙台市太白区富田の名取川河川敷で、市民農園「せんだいプチファーム富田農場」の畑開きがあった。
 家族9組が慣れない手つきで約8アールの遊休耕作地にくわを入れて畝をつくり、土中の温度と湿度を保つ塩化ビニール製の覆いを張った。
 「握り拳2つ分くらい土を掘り、キャベツの苗を植えます。その前に根をよくほぐしてください」。名取市の専業農家三浦隆弘さん(28)が植え方を説明する。子どもたちは、ふかふかした土のじゅうたんの感触を楽しみながら、苗を植えた。
 太白区西中田の会社員水原健さん(36)は「最初は興味がなかったが、妻に誘われて来てみたら意外に面白くて没頭した」と、心地よい疲労感に浸った。
 富田農場は八月に発足したNPO「せんだいプチファーム」が運営する市民農園。初心者でも楽しめるよう、農場長の三浦さんが週1回程度指導する「栽培指導型市民農園」として誕生した。
 きっかけは「耕作放棄地を減らしたい」という関係者の思いだった。
 仙台市内では1995年―2005年の間、耕作放棄地が195ヘクタールから208ヘクタールへと6.7%増加した。農家の平均年齢も、65歳以上の構成比が33.0%と約10ポイントも上昇。高齢化による担い手不足とコメ離れが相まって、田畑の荒廃がじわじわ広がっている。
 プチファーム事務局長の足立千佳子さん(42)は「農地が売却、開発されたら二度と元に戻らない。緑豊かな環境を守るため、都市住民も農業に参加するべきだ」と語る。
 富田農場ではかつて雪菜が栽培されていたが、ここ2、3年は遊休耕作地となっていた。
 所有する板橋悦代さん(58)は「夫は本業の工務店専従。わたし一人では所有する農地70アールすべてに手が回らず、一部を貸し出した。市民に使ってもらえることで農地が荒れずにすむ」と喜ぶ。
 週末しか富田農場に通えない人にとって、頼りになる助っ人は、宮城大食産業学部(太白区)の食育サークル「大地くん」のメンバー。週2回程度、成長具合などを点検するために畑の見回りをしている。
 サークル代表の環境システム学科二年酒井裕史さん(21)は「農場に来る子どもたちに食育の人形劇を見せてやりたい。親子が一緒に来るので食育を実践する絶好の場所」と笑顔を見せる。
 100万人の消費者を抱える都会の外れで、週末農家や農家の卵が育っていく。
 「マンション住まいの家族でも少し足を延ばせば、農のある暮らしができる」。事務局長の足立さんは食と農業、農地の大切さを伝える「実験場」に壮大な夢を託す。
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【左】協力して畑作業をする家族連れ。耕作放棄地が立派な畑になった
【中央】夢中になって苗を植える家族連れ。土いじりの楽しさに時がたつのも忘れた
【右】播種(はしゅ)機を使って種をまく親子。大根、ホウレンソウ、カブ…。収穫を心待ちにして、笑みがこぼれる
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