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福島県・福島民報社『おだかAMO(福島県南相馬市小高区)』
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 「収穫した野菜に甘みがあるし、何より効果の出るのが早い」。南相馬市小高区田町にある家庭菜園で農作業に励む村田ヒデ子さん(75)=同区本町=は、生ごみから製造された有機土壌活性液(液肥)を愛用して約3年になる。夏は液肥を水で約200倍に薄め、作物に葉面散布をする。元肥や追肥にも活用する。効果が強すぎる原液を掛けないなど使用法を守れば、液肥は作物の成長に非常に効果的だという。液肥を使って大豆も栽培した。「枝豆にしたらおいしくて最高だった」と村田さん。生き生きと育つ作物を見詰め笑顔になった。
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あらゆるごみを集める小収店。
収集箱は26分別に細分化されている

 小高区では家庭のごみを利用したユニークな「循環の輪」づくりの試みが続いている。家庭から出るあらゆるごみを回収する地元の「小収店(こしゅうてん)」に併設された装置で液肥が製造される。希望する農家などに液肥が無料で配られ、液肥利用で生育した野菜は店内の直売所で販売される。野菜販売金額の10%が、小収店を設置している企業組合おだかAMO(アグリカルチャー・マネジメント・オーガニゼーション)の手数料となる。
 奥山修司福島大教授らのアドバイスを受けた、おだかAMO設立委員会が平成16年8月から取り組みを始めた。装置に生ごみを入れると、乳酸菌やアミノ酸の発酵作用などで液肥ができる。初年度は毎月1トンから2トンの生ごみが持ち込まれ、1日平均では17年度が123.9キロ、18年度が164.2キロと増えた。製造装置の対応能力をを考慮し、生ごみの水を搾ることや細かく切り分けることを促したため、今年度(8月末まで)の1日平均持ち込み量は152.2キロ。小収店には連日、多くの住民がごみを運び込む。
 15軒の農家などが液肥を無料で利用している。アスパラ農家の門馬祐子さん(47)は「極端に育ちが違うことはないが、土が軟らかくなりミミズも多くなった。微生物が土を良くしていると感じる」と話す。農家以外の住民にも年2回ほど、無料で液肥が配られる。
 すべてのごみをリサイクルする完全循環型社会を目指すため、17年5月に小収店が設置された。「混ぜればごみ 分ければ資源」の理念のもと、生ごみも含め26種類に分けて回収する。生ごみ以外のごみを市内のクリーンセンターや民間リサイクル業者に持ち込み益金を得る。そしてごみの重量換算でポイント化し、商品券で住民に還元する。ごみを持ち込めるのは小高区民に限られるが、登録世帯は着実に増えて今年8月末には475人(世帯)と小高区全世帯の1割を超えた。「ごみ収集車の走らないまち」の実現が目標だ。
 ただ、小収店の運営には自治体の補助金もまだ必要で、理念実現のためには事業規模の拡大が大きな課題でもある。液肥を活用したタマネギやキュウリなどをすでに小高区内の保育園などに納入していおり、AMOは野菜販売で一層の収入アップを目指す。小収店運営委員会事務局長の鈴木一男さん(57)は「小収店の店舗数を増やすとともに液肥を利用する農家を増やし、野菜の販売を強化したい」と戦略を練る。AMOの鈴木浩二代表理事(70)「ごみを持ち込んでくれる世帯数を1,000世帯を目標に増やし、液肥の品質を高めて大いに利用してほしい」と、今後の展開に向けて意欲をにじませる。
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製造した液肥をタンクに
詰める鈴木代表理事
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液肥を薄めダイコンに
葉面散布をする村田さん
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