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宮城県・河北新報社『アーバンスコップ(仙台市)』
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  百万都市・仙台のど真ん中。JR仙台駅に近いビル街の一角にある小さな農園が、小学校の野外教室に早変わりした。
 宮城野区元寺小路の「仙台まちなか農園アーバンスコップ」。広さは約200平方メートル。8月末、仙台市東六番丁小(青葉区)の3年生約60人が、仙台の伝統野菜・曲がりネギやハクサイの苗を植え付けた。
 仙台市太白区で農業を営む沼田敏さん(49)が「曲がりネギは、一度真っすぐに育ったのを寝かせて植え直します。その方が柔らかくなり、味も甘くなる」と、分かりやすく説明する。沼田さんは講師役をボランティアで引き受けた。
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「寒くなればなるほど甘くなるんだよ」。
曲がりネギについて丁寧に説明する沼田さん

 楽しみながら、地元食材への理解を深める子どもたち。苗を植えた後は、農園に実るトマトやオクラをもいだり、飛んでいるチョウを追いかけたりして大はしゃぎだ。
 体験学習は11月ごろまで4回ほど行い、野菜のスケッチ会や料理会も開く予定だ。東六番丁小の大野栄夫校長(59)は「都会っ子が畑で土をいじることで貴重な経験をしている」と強調する。
 アーバンスコップは、仙台市のシンクタンク「仙台都市総合研究機構」の市民研究員が中心となり、昨年始めた。都市総研は市の行財政改革の一環で3月に廃止されたが、元研究員と地元住民が活動を引き継いだ。
 事業費はわずか30万円。もともとは砂利ばかりだった区画整理事業の土地に土を入れ、野菜や花を植えた。農業高の生徒や大学生が助っ人として参加。地域の高齢者も若者の姿に触発され、普段の水やりなどで支援するようになった。
 「農園に来る子どもたちとの触れあいは本当に楽しい。元気をもらっている」。地元町内会の元寺小路東部親和会で会長を務める本田敬子さん(74)は笑顔を見せる。
 仙台には今年6月、もう1つの「まちなか農園」が誕生した。青葉区大手町の「まちなか農園藤坂」。市の遊休地に目を付けた地元四町内会が市に掛け合い、実現させた。市の負担は100万円。
 8月下旬には小牛田農林高(宮城県美里町)の生徒が、町内会の人たちにハクサイなどの苗の植え方を教えた。
 農業高校では栽培技術の学習が中心で、販売や流通などを学ぶ場は少なかったという。1年を通して、野菜作りの苦楽を住民と共有し、ときには町内会が催す産直市で野菜を販売する。都市消費者の「食」に対する考え方を学ぶ貴重な機会だ。
 佐々木校長は「消費者が求める『無農薬』『有機農法』がどれだけ難しいかを、農作業を体験してもらうとよく分かってもらえる」と語る。
 都会の小さな農園を舞台にした人と人とのつながり。「農」の魅力に引き寄せられた消費者と生産者が互いを理解し合い、新たな収穫を生む。

 「まちなか農園アーバンスコップ」の所在地は、仙台市宮城野区元寺小路17。「藤坂」は同市青葉区大手町4。11月に藤坂で開く収穫祭では、近郊農家や農業高校生らによる野菜の直売会も実施する予定。連絡先は仙台市政策企画課022-214-8067。
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JR仙台駅やビル街に近接する
「アーバンスコップ」で、
曲がりネギを植え付ける東六番丁小の児童
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仙台市中心部の高層ビルを背に、
ハクサイの苗を植える小学生ら
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