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宮城県・河北新報社『デリシャスファーム(大崎市鹿島台)』
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甘みがぎっしりつまったケチャップを瓶詰めする今野栄子さん(左)
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大釜でトマトピューレを煮詰め、
ケチャップに加工する従業員
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 甘酸っぱく濃厚なトマトの香りが、小さな建物に立ちこめる。
 甘み抜群の「デリシャストマト」の産地・大崎市鹿島台。野菜専作の農業生産法人「デリシャスファーム」の加工施設で、女性従業員が大きな釜をへらでかき混ぜる。
 作っているのは、デリシャストマトを原料としたケチャップ。トマトピューレにセロリ、タマネギ、ニンニクと調味料を加えて、焦げないように煮詰めること二時間弱。うまみがぐっと凝縮されたエキスが、湯気とともに鮮やかな赤色を放つ。
 同社は現在、1.5ヘクタールの畑で水菜、カボチャなども栽培しているが、主力商品はもちろんデリシャストマトだ。昨年、このトマトピューレを利用したオリジナル商品の生産を始めた。
 ジュース、ジャム、トマトソース、乾燥トマトのオリーブオイル漬けの4点を詰めたギフトセット1000個を完売。ことしはケチャップなどを加えた7品目を、各1000〜2000個生産する予定だ。
 常務の今野栄子さん(52)は「商品開発の段階で貢献したのは女性従業員。常に台所に立つ主婦ならではのアイデアは大きかった」と話す。
 従業員13人のうち10人が女性。「どういう味付けなら家庭で使いやすいか」「添加物を入れないで日持ちさせるにはどうしたらいいか」。レストランのシェフや顧客の意見も聞き、製造方法を着実に編み出した。試行錯誤を繰り返した日々から加工部門を支える現在まで、女性たちはずっと、その中心メンバーだ。
 今野さんの夫で同社社長の文隆さん(56)は「開発に加わりたくても、常に消費者側から考える主婦の視点にはかなわない」と、すっかり女性パワーを信じ切っている。
 原料となるトマトは甘さが十分で味も良いが、形が悪いために生食用として販売できない規格外の品だ。
 この品種は水やりを極限まで抑えるため、栽培が難しいとされる。収穫量は他品種の半分程度で、2、3割が不整形になるデリケートな品種でもある。規格外品に付加価値を付けて販売することは大きな課題だった。
 「味の良いこのトマトを原料にすれば、もっと付加価値の高いオリジナル商品を作ることができるはずだ」。今野さん夫婦がこんな構想を思いついたのは2005年末。商品化まで、そう時間はかからなかった。
 ことし6月、約70平方メートルの自社専用の加工施設が完成した。ことしは、加工品だけで昨年の倍の1000万円の売り上げを目指すという。
 昼夜の寒暖差で強い甘みが生み出されるデリシャストマトは、3〜6月の4ヶ月間しか生産できない。「加工品があれば、一年を通してこの味を楽しんでもらえる」。そんな思いで栄子さんたちは作業に汗を流す。
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畑の中に設置される直売所で、
デリシャストマトの加工品を販売する今野栄子さん(右)
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真剣なまなざしで作りたてのケチャップを
瓶詰めする従業員たち
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