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秋田県・秋田魁新報社『グリーンレディースにかほ』
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キクの出荷作業に汗を流す「グリーンレディースにかほ」
のメンバー=秋田県にかほ市

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 「女性が生き生きと働ける農家をつくろう」|そんな目標を掲げて意欲的な活動を展開しているのが、にかほ市の「グリーンレディースにかほ」だ。農家の所得アップと女性の主体的な農業経営への参加を目指した多彩な取り組みは、26人のメンバーたちに生きがいをもたらしているだけでなく、地域にも元気を与えつつある。 本県の工業でウエートが高い電子部品、半導体関連業が集積する同市。県内ではいち早く農家の兼業化が進んだ地域だ。しかし10年ほど前、IT不況のあおりで、地域の工場は生産規模の縮小を迫られた。大規模なリストラが断行され、パート勤務の女性たちもその対象となり、農業中心の生活に戻っていかざるを得なかった。
 当時はまだ、農家の女性の位置付けは男性の下で農作業を手伝う「補助労働力」という色合いが濃かった。収入も自由には使えない。農家の女性特有の悩みを抱えており、気持ちを楽にする場を持ちたいという思いが強まっていた。
 そんな経済情勢と女性を取り巻く環境を背景に平成9年、グループが発足した。お互いの農作業を手伝うのが目的だが、初めのうちは「定例会」「食事会」と称して、毎月のようにメンバーが集まり、日常の悩みなどを打ち明け合った。話題は子育てや親の介護、自身の健康などにも及んだ。何でも話し合える緩やかな組織が居心地の良さにつながっている。
 会長の菊地紀子さん(55)は「専業農家は農業に従事する時間が長いあまり、外との接点が少ない。それが孤独感になり、家の中でただ悶々(もんもん)とした日々を過ごしていた」と発足前の心境を語る。
 集会を重ねるうちに、メンバーたちは地域の農業の方向性を考えるようになった。手始めに取り組んだのは花き栽培。コメ価格の低迷が続く中、換金性の高い作物の導入を進めようというのが狙いだった。花きを各農家の一部門として独立させて、農業を営もうと、家族経営協定を締結するメンバーもいた。
 露地一辺倒の栽培から電照ギクにチャレンジするなど栽培技術を身に付けようという向上心も芽生え始めた。後継者育成にも同時に取り組み、結成以来、新たに7人が就農した。
キク出荷のピークを迎えたお盆前の8月上旬。メンバーたちの生き生きとした声が畑に響き渡っていた。「お昼だからちょっと休憩ね」「暑いけど明日の午前中もよろしくね」人手不足になりやすい農繁期は、メンバー全員が助け合う。余裕がある時間帯に計画的に労力を提供する仕組みを「グリーンネットワーク」と名付け、非農家も取り込み、キクの栽培面積を広げてきた。
 グリーンネットは時給制。人手がほしい農家が登録したメンバーとやり取りし、作業を依頼する。登録している非農家には、子育て中の母親も多い。菊地会長は「時給を払っている以上、作業に緊張感が生まれる。なあなあで作業をすることもなくなる。それが近所同士の仲良しグループとの違い」と話す。
 こうした女性主体の農業経営と多彩な実践が評価され、18年には国の「農山漁村女性活動チャレンジ表彰」の最優秀賞を受賞した。
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余裕のある時間帯にメンバーが労力を出し合い、
キク栽培面積を広げている=秋田県にかほ市
「やれる人がやれればそれでOK。長続きの秘訣(ひけつ)は構えないこと」。女性農業士でもある発起人の斎藤とし子さん(54)は笑顔で語る。
 直売活動も主要な活動の一つ。地元商店街の空き店舗を活用して直売所を開設し、地域のイベントには直売コーナーを出店する。消費者にメンバーのキク畑を見てもらおうと、活動内容を紹介したオリジナルマップを配っている。ただ、直売も売り上げアップだけが目標ではない。「農家の収入が伸びても、地域が元気にならなければ意味がない」と斎藤さん。
 自分たちが働きやすい環境を自分たちでつくりだしてきたグリーンレディース。菊地会長は「緩やかなネットワークだから、気張らずに一生懸命やれる。がちがちの組織だったら必ず行き詰まっていたはず」と話す。メンバーの収入が伸びてきた今、次の目標設定に頭をひねる日々だ。
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